3月に保険料率が改定?ひとり社長の事務手続き4つ【2026年版】ステップ1
- 「健康保険料率」・「介護保険料率」が改定?
- 「子ども・子育て支援金」がスタート?
それに伴ってやることはなに?
という、マイクロ法人のオーナーさんに向けて、例年だと2月中旬に発表される協会けんぽからの「保険料率の改定」を知って取りかかることを、4つのステップに分けてまとめてみました。
ステップ1からステップ4までを実践していくことで「未来の自分が喜ぶような日常」を送ることができます。
- 支払う「社会保険料」の「個人負担分」を見直す
- 「役員報酬(手取額)」の「自動送金設定」を変更する
- 支払う「社会保険料」の「事業主負担分」を見直す
- 「会計ソフトの入力」に反映する

さのっち@ブロガー
二刀流マイクロ法人4期目
50代主夫
「最初に取りかかること」と「必要なもの」

保険料率の改定に伴って取りかかることには段階があります。まず「最初に取りかかること」についてまとめてみました。
「最初に取りかかること」
2月中旬:協会けんぽの保険料率改定をチェック
2月中旬は「協会けんぽの料率改定」の情報収集タイミングです。3月からの変更に向けて、2月中旬に発表される情報を確認しましょう。
自分の地域の「最新料率」を確認する手順

画面を最大化すると、都道府県を地図から選ぶこともできます。

都道府県を選ぶと、各支部作成の「納入告知書同封リーフレット(協会けんぽ各支部からのお知らせ)」ページになり、最新号からバックナンバーまでの「お知らせ欄」を見ることができます。
ここでは一例に、北海道支部の「納入告知書同封リーフレット(令和8年2月)」を開いてみます。 保険料率のお知らせはこちら というテキストリンクをクリック。

ここに載っている「最新の保険料額表」を確認すれば、改定後の金額が分かります!

令和8年4月分(5月納付分)から新たに「子ども・子育て支援金」を納めます
「健康保険料」「介護保険料」「子ども・子育て支援金」は労使折半です
【重要】「結局、全部自分のお金」なのになぜ計算するの?
マイクロ法人の場合、会社の負担分(事業主負担)も自分の給与から引かれる分(個人負担)も、元をたどれば全て「自分のお金」です
しかし、あえて「折半額(個人負担分)」をきっちり計算しなければならないのには、2つの切実な理由があるからです
1. 銀行で「役員報酬」を「自動送金」する金額が変わるから
多くのひとり社長は、会社口座から個人口座へ「役員報酬(手取り分)」を自動送金しているはずです
保険料が変わる = 手取り額が変わる
手取りが変わる = 銀行の自動送金設定を変える必要がある
この計算を間違えると、会社に余分なお金が残ったりして、会計ソフトの集計が合わなくなってしまいます
2.「社会保険料控除」として節税に直結するから
個人の確定申告や年末調整で「社会保険料控除」として所得から差し引けるのは、あくまで「個人負担分」の金額だけです
正確な金額を知っておかないと、本来受けられるはずの節税メリットを正しく計算できませんね
ひとり社長へのアドバイス
「全額自分が払っている」という感覚はその通りですが「会社というハコ」と「自分という個人」の境界線を数字でしっかり引いておくことが、健全なマイクロ法人運営の第一歩です
今回のステップで「個人負担分」を正しく把握して、未来の事務作業(手取りの自動送金設定変更など)をラクにしていきましょう!
40歳から64歳までの人には「健康保険料率」と「子ども・子育て支援金率」に「介護保険料率」が加わります
2026年(令和8年)は「2段階改定」!あなたはいつ保険料が変わる?
2026年は、例年の「保険料率改定」に加え、新制度「子ども・子育て支援金」がスタートする異例の年です。
以下の表で、自分が「いつ、どのタイミングで事務手続きが必要か」を確認してみましょう。
【判定リスト】社会保険料の支払額が変わるタイミング
| タイミング | 金額が変わる条件(ひとつでも該当すれば「変わる人」) | 必要なアクション |
| 第1波:3月分〜 (4月納付分) | ・お住まいの地域の「健康保険料率」が変わった ・「介護保険料率」が変わった(40歳〜64歳の方) | 1回目の計算見直し 賃金台帳・自動送金設定の変更 |
| 第2波:4月分〜 (5月納付分) | ・「子ども・子育て支援金」がスタートする (※ほぼすべての社長が対象!) | 2回目の計算見直し 賃金台帳・自動送金設定の変更 |
保険料が「全く変わらない人」はいるの?
2026年4月からは「子ども・子育て支援金」が全世帯を対象に上乗せされるため「2026年は一度も金額が変わらない」というオーナーさんは、まずいらっしゃらないでしょう。
注意:2026年春は「事務手続きのダブルパンチ」!
「3月に一度計算したから安心」ではありません。2026年は2ヶ月連続で金額が変わる可能性が高い、まさに「ダブルパンチ」の年です
なぜ「ダブルパンチ」に注意が必要なのか?
「3月だけ」直して満足してしまう
3月の改定後に納付額を直して一息ついていると、4月分の「支援金スタート」を見落とし、会社のお金と手取り額がズレてしまいます
手取りの自動送金を変更する必用が「2回」も!
手取り(役員報酬)を自動送金にしている場合「3月分用」と「4月分以降用」で、2ヶ月続けて設定を変更しなければならない可能性が高いです
また、年齢が「40歳」または「65歳」に到達した人は、誕生月に設定を見直すことになるので、一年に3度の変更手続きが必要なケースも、あるかもしれませんね
賃金台帳の管理が複雑になる
3月分と4月分で引かれる金額が異なるため、このステップ1で正しい計算方法をマスターしておくことが、後の混乱を防ぐ唯一の手段です
ひとり社長へのアドバイス
「2回も計算し直すなんて面倒!」と思うかもしれませんが、今のうちに「令和8年3月分(4月納付分)からの保険料額表(協会けんぽ)」を手元に用意して、この後のステップに沿って計算を進めてしまいましょう
未来の自分が「あの時ちゃんと計算しておいて良かった」と思えるよう、今この瞬間に片付けてしまうのがマイクロ法人運営のコツです
「必要なもの」
改定後【令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険】の保険料額表


ここでは一例に、北海道支部の「令和8年度保険料額表(令和8年3月から)」を開いてみます。 北海道 のテキストリンクをクリック。
「最新版の料額表」が見れます。料率改定情報が載っていないので見やすいですね。

自分の「標準報酬月額」
標準報酬月額の確認方法
標準報酬月額は以下の通知書で確認することができます。
「健康保険・厚生年金保険資格取得確認および標準報酬決定通知書」

「健康保険・厚生年金保険標準報酬決定通知書」

ちなみに、僕の標準報酬月額は以下のとおりです。
- 「健保」58.000円 (「子ども・子育て支援金」にも適応)
- 「厚年」88.000円
僕の「報酬月額(額面)」45,000円 が、その「標準報酬月額」に当てはまるからです

【実践】自分の「報酬月額(額面)」を当てはめてみよう!
通知書がなくても、手元の「保険料額表」があれば大丈夫です! 役員報酬(額面)が 45,000円 の場合、表のどこを見ればいいのか、具体的な数字で解説します
まずは「健康保険」の行を見つける
表の左側にある「報酬月額」の列(縦方向)を見てください
- 役員報酬 45,000円 なら…… → 一番上の「63,000円未満」という行に当てはまります
- 健康保険の標準報酬月額 は…… → その横に書かれている 58,000円 です
次に「厚生年金」を読み替える
ここが最大のポイント!厚生年金はスタート地点が少し違います
- 表の注釈をチェック!「厚生年金保険の場合、一番上の行は 93,000円未満 と読み替えてください」
- ということは…… → 役員報酬 45,000円 も、この「93,000円未満」に含まれます
- 厚生年金の標準報酬月額 は…… → その横にある 88,000円 になります

「自分の給与額」と「標準報酬月額」は、必ずしもイコールではありません
大切なのは、「改定後の保険料額表」を広げて「自分の今の役員報酬(額面)が、どの範囲(行)に収まっているか」を確認すること、それだけで正しい保険料を導き出せますよ!

それでは「改定後の保険料額表」から「自分の標準報酬月額」に当てはまる保険料を求めていきましょう!
求める個人負担分の保険料は3つ
1.「 健康保険料」の「個人負担分」

僕のケースでは、令和8年3月分(4月納付分)からの「健康保険料」の「個人負担分」は 3.451円で、前月分までと変わりありませんでした。
僕は北海道在住なので、「協会けんぽ 北海道支部」の「保険料額表」から求めましたが、要点は以下のとおりです。
(1) 「年齢」は?
僕のケースでは、「自分の年齢(40歳~64歳)」が「介護保険第2号被保険者」に「該当」します。「保険料額表」で見る列は、赤色の印 を付けた所(上画像参照)です。
また、年齢が「40歳未満」「65歳以上」で「介護保険に該当しない人」が見る列には、青色の印 を付けています。(上画像参照)
自分の年齢が「介護保険第2号被保険者(40歳〜64歳)」に該当するかどうかで、見る列が変わるので注意してくださいね!

(2) 「健保」の「標準報酬月額」は?
僕のケース(介護保険あり)では、「健保」の「標準報酬月額 58,000円」です。「介護保険なし」の人も「報酬月額が 63,000円未満」なら同様になります。
あなたの「健保」の「標準報酬月額」は、どうですか? もし「報酬月額(毎月の役員報酬の額面)」が「 63,000円未満」なら、あなたの「健保」の「標準報酬月額」は 58,000円ですよ。
(3) 「個人負担分」の「健康保険料」を求めるには?
介護保険に「該当しない場合」も「該当する場合」(僕のケース)も、その「折半額」の列から求めます。
以上(1)~(3)の要点を押さえて「保険料額表」と照らし合わせることで「健康保険料」の「個人負担分」を求めることができます

2. 「子ども・子育て支援金」の「個人負担分」

令和8年4月分からスタートする新制度です。僕のケースでは、令和8年4月分(5月納付分)から「子ども・子育て支援金」の「個人負担分 67円」が新たに発生します。
「保険料額表」を見るときの要点は以下のとおりです。
(1)「 子ども・子育て支援金」の「標準報酬月額」は?
「健保の標準報酬月額と同じ」です。僕のケースでは 「58,000円」。「報酬月額が 63,000円未満」の人なら同様になります。
(2) 「個人負担分」の「子ども・子育て支援金」を求めるには?
「子ども・子育て支援金」 「折半額」の列から求めます。
以上(1),(2)が「保険料額表」で見て交わる欄が、あなたの「子ども・子育て支援金」の「個人負担分」になります

なお、僕のケースで発生する折半額は「保険料額表」に 66,7円と載っていますが、円未満の端数処理で切り上げて1円とし、67円にしています。
保険料の「端数(1円未満)」はどう処理する?
保険料額表の「折半額」に円未満の端数がある場合、実は「給与から天引きするか」「現金で受け取るか」でルールが微妙に違います
多くのひとり社長は「給与から天引き(控除)」に該当するはずですので、以下にある のルールだけ覚えておけばOKです!
給与から天引きする場合(一般的)
- 50銭以下は「切り捨て」(例:100.50円 → 100円)
- 50銭を超えるなら「切り上げ」(例:100.51円 → 101円)
ざっくり言うと: 「.50」までは切り捨ててOK!と覚えましょう
現金でやり取りする場合(レアケース)
- 50銭以下は「切り捨て」(例:100.50円 → 100円)
- 50銭を超えるなら「切り上げ」(例:100.51円 → 101円)
ざっくり言うと: 50銭(0.5円)ぴったりなら、切り上げて1円になります
| 支払い方法 | 50銭(0.5円)の扱い | 覚え方 |
| 給与から天引き | 切り捨て | 50銭までは安くなる! |
| 現金で支払い | 切り上げ | 50銭から1円になる! |
【重要】ひとり社長へのアドバイス
実は、このルールには「特約(独自のルール)」が認められています
「細かい計算は面倒だから、端数は常に切り上げる(または切り捨てる)」と決めてしまえば、そのルール(特約)を優先してOKです
マイクロ法人の場合、社長=従業員なので、自分が納得していれば複雑に考えすぎる必要はなく「50銭以下は切り捨て」という基本ルールに沿って、一度計算した金額を賃金台帳にメモしておきましょう
以上のルールは、料額表の注釈を要約しています

3. 「厚生年金保険料」の「個人負担分」

僕のケースでは、令和8年3月分(4月納付分)からの「厚生年金保険料」の「個人負担分」は8.052円です。前月分までと変わりありません。「保険料額表」を見るときの要点は以下のとおりです。
(1)「 厚年」の「標準報酬月額」は?
僕のケースでは「厚年」の「標準報酬月額 88.000円」です。
あなたは、ご自身の「厚年」の「標準報酬月額」が、分かりますか?
もし、あなたの「報酬月額(毎月の役員報酬の額面)が 93,000円未満」なら、あなたの「厚年」の「標準報酬月額」は 88,000円です。
(2) 「個人負担分」の「厚生年金保険料」を求めるには?
「厚生年金保険料」 「折半額」の列から求めます。
以上(1),(2)が「保険料額表」で見て交わる欄が、あなたの「厚生年金保険料」の「個人負担分」になります

厚生年金保険料率は定例で9月分から改定されますが、平成29年以降は変更がありません。なので、自分の標準報酬月額に変更がなければ、保険料も変わりありません。それでも、この機会に要点を「保険料額表」と照らし合わせて、確認しておくことをオススメします
支払う「社会保険料」の「個人負担分」はいくら?

【改定後の保険料額表】で求めた3つの保険料の合計が支払う「社会保険料」の「個人負担分」です。僕のケースだと、令和8年改定後に支払う社会保険料の個人負担分は、4月分(5月納付分)から 11.570円になります。前月分までは 11.503円で、3月分(4月納付分)の変更はありませんでした。
【コラム】奇跡の「合計料率ステイ」!設定変更が1回浮きました
僕が加入している「協会けんぽ北海道支部(介護保険該当)」のケースでは、令和8年3月分の保険料は、まさかの「変更なし」でした!その理由は、料率の絶妙なバランスです
- 現行: 健保10.31% + 介護1.59% = 計11.90%
- 新料率: 健保10.28% + 介護1.62% = 計11.90%
内訳は変わっても、足し算の合計が変わらないというミラクルが起きたのです
おかげで、面倒な「銀行の自動送金設定の変更」を1回分スルーできました!こういう小さなラッキーが、忙しいひとり社長には本当に染みますよね
あなたの支部でも、この「合計変わらず」が起きているかもしれません。まずは落ち着いて、新旧の料率を足し算してみることをオススメします!


僕のケース(介護保険あり)で、支払う「社会保険料」の「個人負担分」を見直すと、上の表のようにまとまります。
【入力して確認!】今回のあなたの社会保険料(個人負担分)は?
※保険料額表の折半額の列から、あなたが求めた各保険料(端数処理後)を入力してください。
社会保険料(個人負担分)計算
0 円
やることには段階がある

ステップ1~ステップ4では、以下の内容を紹介しています。
- 支払う「社会保険料」の「個人負担分」を見直す
- 「役員報酬(手取額)」の「自動送金設定」を変更する
- 支払う「社会保険料」の「事業主負担分」を見直す
- 「会計ソフトの入力」に反映する
「保険料率の改定に伴ってやること」を一通り解説していくので、
「未来の自分が喜ぶような日常」にするには、どうしたらいいの?
という、ひとり社長さんは、1つずつ実践してみて「未来の自分が喜ぶような日常」につなげてみましょう。
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